#262 サザビーリーグの80億円課税処分取消し【2022/02/25】株主間贈与が狙い?
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#262 サザビーリーグの80億円課税処分取消し【2022/02/25】
AHAが自社株を低い価格で買い戻すことにより、本来オランダ法人SRSが得るべき利益130億円がSRS以外の株主に移転していることになりますが、オランダ株主同士の利益移転には課税関係が生じません。
国税不服審判所は「株価の根拠が不明確」と判断して課税処分を全額取消していますが、正しい株価を算定する努力はしたのでしょうか?
・読売新聞2022年2月24日付記事
・日本経済新聞2020年4月3日付記事、創業者130億円課税もれ
・国税不服審判所2022年1月20日付裁決
・アフタヌーンティー等著名ブランドを抱える生活雑貨等を営むサザビーリーグに関する報道
・請求人は創業者の鈴木陸三(78)と森正督会長(73)の資産管理会社「三木家」
・2010年12月オランダ法人SRS、投資会社AHAに株価5万円、38,000株出資(オランダ法人Xも同様にAHAに投資)
・AHA、サザビーリーグにTOB(2010年11月から2011年2月)
・AHA、サザビーリーグを吸収合併して新サザビーリーグに
・2015年オランダ法人SRSからAHAの株式19,000株を8万円で買い戻し(AHA(新ザザビーリーグ)は自社株をSRSの投資半分を買い戻す)
・鈴木陸三(78)らは数億円の利益
・SRSは鈴木陸三(78)100%保有(又は三木家との共同出資か)タックスヘイブン対策税制の対象
・AHAはサザビーリーグの吸収合併により株式価値上昇、84万円と国税は認定し差額の76万円を課税
・76万円×19,000株=14,400,000,000円
・84万円×19,000株=15,960,000,000円
・差額は1,960,000,000円
・出資は19億(38,000株×5万円)
・取消理由:株価の根拠が不明確(kpmgにお願いすべきだった?)
・SRS以外のオランダ法人株主Xの存在あり
鈴木氏と三木家は「株価は投資会社の定款で定められており、適正、株の売却で巨額の利益を得たわけでもない」などと主張。裁決はこれを認め、「国税当局側の主張する株価の根拠は明確でなく、課税処分は違法だ」と結論付けた。




